お知らせ
里親募集
2か月弱の子猫です。
猫エイズ、猫白血病ウイルス検査はどちらも陰性です。
ノミ、マダニ駆除済
終生可愛がっていただける優しい里親さんを募集しています。
気になられた方は当院までご連絡ください!
犬の乳腺腫瘍
犬の乳腺腫瘍は乳腺細胞が腫瘍化して起こる雌犬において発生する確率が高い腫瘍です。
発症年齢の平均は10歳~11歳で4歳以下の発生は稀とされています。
はっきりとした原因はわかっていませんが、避妊手術を早期に行うことで乳腺腫瘍の発生率が低くなっていることから
卵巣から分泌される雌性ホルモンが大きく関わっているのではないかといわれています。
犬の乳腺腫瘍は悪性と良性に分かれ良悪比率は50%とされており
一般的に良性のものは小さく円型で硬く触れることが多く、一方悪性のものは増大傾向が強く、皮膚や下層組織への固着、潰瘍や炎症を伴うことがあります。
ただし悪性のものでも成長速度が遅いものや硬いものもあり、経過や見た目だけで良性か悪性かの判断をすることはできません。
【診断の流れ】
腫瘍の成長速度や性状はそれぞれで違ってくるため、今の様子、避妊歴を含む病歴の聴収をし、一般身体検査として触診によりしこりの位置を確認します。
そしてそのしこりが乳腺にあるのかどうかも確認します。
乳腺腫瘍以外の悪性腫瘍除外のために細胞を採取して顕微鏡で観察する細胞診を行う場合もあり、最終的には摘出後病理組織検査により確定診断をします。
【治療】
治療の第一選択は腫瘍の外科的な切除です。乳腺腫瘍は悪性のでも早期に手術ができれば根治の可能性が高い腫瘍です。術式には腫瘍のみを小さく切除するものから両側乳腺を広範囲で全摘出するものまであり、腫瘍の悪性度、ステージ、腫瘍の数、年齢や一般状態を考慮してご家族と相談しながら術式を決定します。
そして摘出組織による病理組織検査で悪性か良性かなどの確定診断を行います。悪性度が高い場合や進行状態によっては術後に補助的な化学療法を行うこともあります。
右第4,5乳腺間に発生した腫瘍の切除手術前
【予防】
犬の乳腺腫瘍は避妊手術を早期に行うことで発生率が減少していることが知られています。
避妊手術を初回発情前に行うと乳腺腫瘍の発生率は0.5%ですが、初回発情後では8%、2回以上の発情後では26%にも上昇します。
しかし2歳半をこえて避妊手術をしても予防効果は、ほとんどないとされています。
早期に発見するには日頃から愛犬を抱っこしたり、乳房あたりを気にして触れてみるもの大切なことです。
特に初期では悪性のものでも痛みや不快感を伴わず元気、食欲に変化がないことがほとんどです。
いつもと違う感覚はあるけれど、元気があるから大丈夫。と思ってもわんちゃんにとっては大事なサインかもしれません。
早期発見のために、小さなことでも気になることがあれば早期の受診をお勧めします。
里親募集
今朝保護された仔猫2頭です。
生後数日で目もまだ開いてない状況です。元気にニャーニャー鳴いています。
まだ離乳できる日齢ではないので、こまめなミルクの授乳と排泄のお世話が必要です。
終生可愛がっていただける優しい里親さんを募集しています。
気になられた方は当院までご連絡ください!
潜在精巣
今回は犬と猫で腹腔内潜在精巣の症例が続きましたので潜在精巣について書いてみます。
潜在精巣(陰睾・停留睾丸)は片側または両側の精巣が陰嚢内に下降してない状態の事を示します。他の動物種と比べ犬で多い疾患です。
胎児のころはオスの精巣もメスの卵巣と同じように腎臓の後ろにあります。これが成長に伴いお腹の中から鼠径管を通って陰嚢内におさまります。これを精巣の下降といい、動物種により異なりますが胎児期から生後間もなくの間で起こります。犬では他の動物種と比べて遅く、生後30日以降、大型犬では2か月以上かかるケースもあります。猫では生後20日頃に起こります。
精巣が停留する場所は鼠径部の皮下もしくは腹腔内で犬では両側性よりも片側性、左側よりも右側、腹腔内よりも鼠径部での停留が多いことが知られています。
原因としては解剖学的要因(精巣を陰嚢内に牽引する精巣導帯の発達不全や鼠径管の閉鎖)や内分泌学的要因(胎児期の性ホルモン不足)などが考えられていま
潜在性精巣は腫瘍化しやすいことが知られています。精巣は体温よりも2~3℃低い温度で正常に機能します。陰嚢内にあり体から少し離れることで体温より少し低い温度を保っていますが、潜在精巣はそれができないため常に体温と同じ温度になってしまい、精巣にとっては異常な高温状態となってしまいます。
この異常な高温状況が腫瘍化に関連していると考えられます。また精巣が腫瘍化すると性ホルモンの過剰分泌により貧血や雌性化などの様々な症状が発現することがあります。
右側鼠径部の潜在精巣が腫瘍化し巨大化した症例
雌性化し腫大した乳頭
また、潜在精巣では精子形成能も低下または欠如しており、遺伝することも知られてため、通常は繁殖の対象から除外されます。
治療は精巣摘出になりますが、停留する部位により切開する場所など手術手技が異なり、腹腔内の潜在精巣では開腹手術が必要となります。
潜在精巣の手術自体は腹腔内でも鼠径部でも難易度が高いもではないのですが、精巣が腫瘍化して大きくなったり、癒着を起こしていたり、ホルモンの影響により全身状態が悪化していると手術のリスクが高くなります。
当院でも潜在精巣と診断した場合、早めの手術をお勧めしています。