お知らせ
フィラリア症について
フィラリアとは細長い糸状の寄生虫で犬糸状虫とも呼ばれます。蚊の吸血より感染します。成虫は体長20~30cmまで成長し主に肺動脈に寄生します。
フィラリアに感染した場合の症状は急性と慢性に分類されます。
急性症状は大静脈症候群とも呼ばれ肺動脈に寄生しているフィラリアの虫体が心臓内に移動することにより急性の心不全を起こします。治療が奏功しなければ数時間から数日で死にいたる大変危険な病態です。
慢性症状としては発咳、運動不耐性、体重減少、腹水貯留など心不全に関連した症状や肝臓や腎臓など心臓以外の臓器にも異常が現れます。
これらの慢性症状が明らかになる頃にはかなり病気が進行した状況であることが多く
ほとんどの場合、心臓やその他の臓器も不可逆性(治療しても健康な元の状態には戻せない)の変化を起こしています。
フィラリアは非常に怖い感染症ですがきちんと予防すれば100%予防できる病気です。
錠剤やチュアブルタイプの飲み薬や注射薬などで予防可能です。ワンちゃんに合わせた方法で予防しましょう。
飲み薬の場合、毎月の投与をうっかり忘れてしまうケースや知らないところでワンちゃんが吐いていた場合などしっかり飲ませているつもりでも実際に翌年の検査でフィラリアの感染が見つかるワンちゃんがいます。予防薬はフィラリアに感染感染しているワンちゃんに飲ませると最悪の場合命を落とすケースもあります。
感染の有無を確認せずに予防薬を飲ませるのは危険です。予防薬を飲ませる前には、必ずフィラリア検査と健康診断を受けましょう。
また、フィラリア症はワンちゃんだけの病気ではなくネコちゃんに感染して重篤な症状を引き起こすことがあります。ネコちゃんには月に一回の投薬でノミ予防と合わせて簡単にフィラリアが予防できる薬をオススメしています。
当院では6月上旬から12月上旬まで予防薬の投与を推奨しています。
地域によって予防期間は変わりますのでお近くの動物病院で確認してください。
フィラリア予防薬をうっかり飲ませ忘れてしまった場合の対処法もありますのであきらめずに動物病院に相談してみてください。