CT検査は、患者の体に周囲360°の色々な角度からX線をあて、検出器から得られた情報をコンピューターで処理して1つの画像データにします。その画像では体を断面で見ることが可能であり、他の検査で観察が難しい体内の臓器や病変部の状態を詳細に把握することができます。主に病気の診断や悪性腫瘍の転移の確認、手術計画の立案に用いられます。
腫瘍の状態や転移の確認、レントゲン検査や超音波検査では見つけることができなかった胸腔・腹腔内の異常、椎間板ヘルニア、骨折など様々な病気の検査を行うことができます。
診断可能な病気 | |
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頭部 |
腫瘍、水頭症、鼻腔の異常、歯根の異常・歯科疾患、内耳炎・外耳炎、脳障害、意識障害 など |
脊椎・脊髄 |
椎間板ヘルニア、腫瘍 など |
胸部 |
腫瘍、肺疾患 など |
腹部 |
腫瘍(各臓器)、門脈シャント、結石、異物、腸閉塞、捻転 など |
腫瘍の病相を確認することは、当院で最も検査が多いケースです。手術計画や治療方針を立てる際に、正確に腫瘍の状態や転移の有無を把握しておくことで、多くの判断材料を得ることができます。
CT検査を行うことで体の中の様子を立体的に3Dで捉えることができます。正確に手術箇所の状態や、血管の配置、隣接している臓器との状態などを把握しておくことで、適切な術式・手術計画を考えることができるので、より安全な手術に繋がります。
CT検査を行う際は息を止めるなどの不動化が必要になります。動物の場合は人と異なり、不動化が困難なため、原則として全身麻酔下での検査となります。また、全身麻酔を行うにあたっては動物が麻酔に耐えうるかを判断するために、麻酔前の術前検査(血液検査・レントゲン検査など)が必要になります。また、安全な麻酔のためにも絶飲絶食が必要となります。
正確な診断を行うため、造影剤を用いての検査を同時に行うことがあります。副作用の少ない造影剤を使用していますが、まれに、吐き気・かゆみなどの症状が出ることもあります。検査前には担当医からご説明致します。
検査当日は朝の食事は与えずにご来院ください。担当医による診察と検査のうえ、検査が可能と判断された場合にはお預かりさせていただいてのCT検査を行います。検査後の動物の体調を判断してお帰りの時間をご連絡させていただきます。