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病気・症例紹介

CASE

2024.10.17
犬の外耳炎

今回はワンちゃんがかかる病気の中でもよく見られる『外耳炎』について、その症状や原因、当院で行っている検査や治療法についてご説明します。

外耳炎とは

外耳(耳たぶ(耳介)から鼓膜まで)で炎症が起きている状態のことをいいます。

外耳炎は治療を行わずに悪化すると炎症が中耳や内耳まで波及し、中耳炎や内耳炎を引き起こす可能性もあります。

内科的治療にうまく反応しない場合や慢性的な炎症により耳道が変形してしまった場合は、耳道の一部もしくは全切除といった外科的治療が必要となることもありますので、外耳炎を疑う症状が見られた場合には早めに動物病院を受診することが重要です。

こんな症状が見られたら要注意

  • 耳が赤く腫れる
  • 耳が臭う
  • 耳垢が増える
  • 頭を振る
  • 後ろ足で耳を掻く
  • 外耳炎を引き起こしている側の耳を下にして傾ける
  • 痛みのため耳や体を触られることを嫌がり、攻撃的になる

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▲正常な耳

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▲外耳炎を発症し耳介が赤く腫れている耳

 

外耳炎の主な原因

  • アレルギー(最も多い):アトピー性皮膚炎、食物アレルギー
  • 寄生虫:耳ダニ、ニキビダニ
  • 異物:植物、被毛など
  • 腫瘍:耳垢腺腫など

 

上記の原因に高温多湿の環境や生まれつきの耳の構造(垂れ耳、耳道が狭い、耳毛が多いなど)、細菌や真菌(カビ)の感染、誤ったお耳のケア(綿棒を使った耳掃除や過剰な耳毛抜き)といった要因が組み合わさると外耳炎がさらに悪化し、治りにくくなってしまいます。

また体質的な要因である『アレルギー』が関与している場合は、季節によって外耳炎を発症しやすい時期があったり、原因となる食物を食べている際には季節に関わらず繰り返し外耳炎を発症する可能性があります。

当院で行っている外耳炎に対して行う検査一覧

耳鏡検査

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耳垢検査

▼耳垢検査により認められた大量のマラセチア菌体

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耳科内視鏡(ビデオオトスコープ)検査

鼓膜の評価を行う場合に実施します。

画像検査(レントゲン検査、CT検査)

中耳炎の評価や耳道内腫瘤の評価に有用です。

細菌培養同定・薬剤感受性試験

細菌感染が重度であったり、治療の反応性が悪い場合に実施します。

外耳炎の治療

  1. 耳垢が多い場合は耳洗浄による耳道の清浄化
  2. 感染性病原体への点耳薬(ミミピュア、オスルニア、ネプトラ等)または内服薬(抗生物質や抗真菌薬)による治療
  3.  寄生虫感染が見られる場合は駆虫薬も併用
  4. 腫瘍や異物などが存在する場合は耳科内視鏡や手術によって摘出

病院での点耳だけで治療が終了になる場合もあれば、症状の程度により自宅での定期的な耳掃除や点耳薬による治療が必要な場合もあります。

外耳炎の予防

重要なのは日頃から愛犬の耳の中をチェックする習慣をつけることです。

外耳炎を疑う症状が見られた際には早めに動物病院を受診することをお勧めします。

定期的な耳掃除も効果的ですが、誤った方法で行うとそれがきっかけで外耳炎を発症してしまう可能性があるので要注意です。当院ではお手入れのみも行っていますのでいつでもご相談ください。